北海道の風景

旧渡島大野駅(現・新函館北斗駅)の記録|北海道新幹線開業前の北斗市をモノクロ写真で振り返る

北海道・函館市在住の写真家、及川修です。この記事は、2014年3月に撮影した旧・渡島大野駅の記録です。現在は「新函館北斗駅」として北海道新幹線の終着駅となったこの場所が、まだ静かなローカル駅だった頃の姿をモノクロ写真でお伝えします。

渡島大野駅とは?新函館北斗駅になるまでの歴史

渡島大野駅は、北海道北斗市にかつて存在したJR函館本線の駅です。2016年3月の北海道新幹線(新青森〜新函館北斗間)開業にあわせて、「新函館北斗駅」に改称・大規模に整備されました。2014年の撮影当時、新駅はまだ建設中でした。ホームに立つと、木製の電信柱が並ぶ静かな風景が広がっており、新幹線が来るとはにわかに信じがたいほど、長閑な空気が漂っていました。

JR渡島大野駅 2014

▲ 2014年撮影・JR渡島大野駅(北海道新幹線新駅建設中)コメントにもあった通り、「木製の電信柱に昭和の懐かしさ」を感じるこの風景は、今となっては完全に失われた景色です。当時の姿を記録できたことは、写真家として意味のあることだと感じています。

北斗市と北海道新幹線|開業前から感じていた課題

2014年当時、北斗市は「暫定的な北海道新幹線の最終駅」となることが決まっていました。札幌延伸が実現するまでの間、新幹線の終着駅として全国から旅行者を迎えることになるわけです。しかし、当時から感じていたのは、北斗市そのものへの観光目的の訪問者は少ないのではないかという懸念でした。新幹線で来た旅行者の多くが、リレー列車に乗り換えてそのまま函館や大沼へ向かうことは、地理的に見ても自然な流れだからです。北斗市に「立ち寄る理由」をどう作るか——これは開業前から地域が真剣に向き合うべき課題だと感じていました。

新幹線開業から約10年、北斗市はどう変わったか

2016年の北海道新幹線開業後、新函館北斗駅周辺には商業施設や観光案内所が整備されました。一方で、北斗市の中心部や観光資源はまだ知名度が高いとは言えず、多くの旅行者が函館や大沼を主目的地とする状況は続いています。この「素通りされる駅」という課題は、北海道の多くの新幹線沿線自治体が共通して抱えるテーマでもあります。地域の魅力を発掘し、写真という形で記録・発信し続けることも、私が写真家として北斗市・函館市で活動する理由のひとつです。

写真家として「変わりゆく風景」を記録する意味

このような開発前・時代の変わり目の風景は、後になってみると非常に貴重な記録になります。新幹線開業前の渡島大野駅の写真は、今では再現できない風景です。モノクロ写真という表現は、そうした「時代の記憶」を伝えるのに特に適していると感じています。カラーには出せない、時間の重みや空気感がモノクロには宿ります。これからも北海道・道南地域の変わりゆく風景を、写真という形で記録し続けていきます。

ふと、私の写真が文庫の表紙になっていたので、貼っておきます。

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